アフガニスタンの地理・気候

地理

位置・場所

アフガニスタンの国土面積は約65万平方キロメートル(日本の約1.7倍)で、位置的には北緯29度から38度(日本でいえば鹿児島県のトカラ列島から新潟県の佐渡ヶ島-宮城県の範囲で首都カブールと東京都は略同じ緯度)、東経60度から東経75度の間にあり、パキスタン、イラン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンさらに中国の新疆ウイグル自治区など6ヶ国のいずれもイスラム教の国及び地域に囲まれる内陸国です。

アジアにおける位置付け

アフガニスタンの地理的な位置付けは、中央アジアに分類されたり南アジアに含まれたり、また西アジアに含まれたりと資料によってバラバラで統一されていないのが実情です。

これは、アフガニスタンの歴史と関係が深く、国土が大帝国の時代は別としてヒンドゥークシュ山脈を境として北のバクトリア地方は中央アジアの歴史に組み込まれ、特にバルフはサマルカンドと並んでバクトリア地方の中心地で、南部のガンダーラ(広義)、アラコシア及びバローチ地方はインドを中心とする南アジアとしての歴史を歩み、さらに西側のホラサーン地方はペルシャ帝国の一部として歴史を刻んできました。

 

そのため、中央アジアの歴史を語るときは中央アジアに含まれ、インド史を語る場合は南アジア
となり、イランを中心とした中東もしくは西アジア史について議論があるときは西アジアに含まれます。

地形

地形的には南部は砂漠、北部や南西部には平野がありますが、国土の4分の3はヒマラヤ山脈群のカラコラム山脈やパミール高原に端を発するコイババ山脈等の支脈を連ねるヒンドゥークシュ山脈の山岳地帯が東部、中部、北部に広がっており、最高峰は海抜7,485mのノシャック山です。

 

また大規模では無いにしてもヒンドゥークシュ山脈の北東部では地震も発生し、首都カブールでも揺れを感じることがあります。但し、1998年の2回に及ぶ地震では、100以上のの村が被害を受け、4,000人以上が死亡する大災害となりました。

河川

河川はいずれも分水嶺となっているヒンドゥークシュ山脈とパミール高原に源を発しています。ヒンドゥークシュ山脈の北側では、パミール高原に源を発したアムダリヤがタジキスタンとの国境をなしながらアラル海に注いでいたが現在ではアラル海に到達する前に消えています。

 

山脈の中央を西流するハリー・ルード川はヘラート平野を灌漑しながら北西に流れを変え、途中でイランとの国境をなした後イラン・トルクメニスタンの国境沿いに流れいずれカラコム砂漠に消えます。またムルガーブ川も北流して、トルクメニスタンに入り同様にカラコク砂漠に消えます。

 

山脈の東側では、カブール川が東流してパキスタンに入ってインダス川に注ぎ主要な支流となっています。

 

また、山脈の南側からはヘルマンド・アルカンダブ川が南西に流れ、イランとの国境に近いハムーン沼沢地に流れ込んで消えます。

気候

アフガニスタンの気候は大陸性気候に属するため、年間を通じて夏と冬の寒暖差が大きい気候となります。朝夕の寒暖差も大きく、湿度も低いのが特徴となっています・  

 

カブールの気候

 

アフガニスタンの国土の大部分が乾燥しているにもかかわらず、アフガニスタンが水不足に陥らないのは、ヒンドゥークシュ山脈やパミール高原を中心に冬場に雪が多く降り、春になって雪解け水が川や湖に流れ込み多くの河川や貯水池があるからです。しかし、この国の水のほとんど(約70%)は隣国のイランに流れています。

 

気候は大陸性で、夏は暑く、冬は寒い。年平均降水量は、国の南西部で75ミリ、マザーリシャリーフで213ミリ、東部のカズニーで213ミリ、サラング峠の上方で1,150ミリです。冬は中央高地、氷河のある北東部(ヌーリスタン周辺)、ワハーン回廊では1月の平均気温が低く、夏は南西部のシスタン盆地の低地、東部のジャララバード盆地、北部のアム川沿いのトルキスタン平原で暑く、7月の平均気温は35°Cを超えます。

 

上記のカブールの天候からも分かる通り、6~11月の月間降水日は1~2日で降水量も極端に少なくなっています。気温は、夏の昼間は暑いものの最低気温が低く寒暖差が大きく、冬場は寒いことが分かります。