モヘンジョダロ

モヘンジョダロは、現在のパキスタン南部、インダス川下流域のシンド州に位置する古代都市遺跡で、紀元前2500年ごろに栄えたインダス文明の代表的な都市の一つです。この都市は高度に計画された都市構造を持ち、碁盤の目状に整備された街路や、れんが造りの住居、公共浴場、排水設備などが発掘されており、当時の人々が高度な都市計画と衛生管理の知識を持っていたことを示しています。中でも「大浴場」と呼ばれる施設は特に有名で、宗教的または儀式的な目的で使われていたと考えられています。モヘンジョダロはインダス文明の文化や社会構造を知るうえで非常に重要な遺跡であり、1980年にはユネスコの世界遺産にも登録されました。しかし、近年では風化や地下水の上昇などによる保存上の問題が深刻化しており、保護活動が求められています。