アルタイ山脈は、中央アジアに広がる大山脈で、現在のロシア南部、カザフスタン東部、中国西部(新疆ウイグル自治区)、そしてモンゴル西部にまたがっています。この山脈はユーラシア大陸のほぼ中心部に位置し、南西から北東にかけて約2,000キロメートルにわたり延びており、最高峰はベルーハ山(標高約4,506メートル)です。アルタイという名称は、テュルク語系の「金の山」(アルトゥン・タイ)に由来すると言われるように、古くから遊牧民の文化や伝説と深く結びついた地域です。
この山脈は地理的・気候的な分水嶺となっており、西側はカザフ草原へ、東側はモンゴル高原、すなわちモンゴル草原地帯へとつながっています。特にアルタイ山脈の東部においては、その裾野が直接モンゴル草原の北西部に接しており、両地域は歴史的にも人の移動や文化の交流が盛んな接点でした。モンゴル草原はアルタイ山脈の東側に広がり、比較的標高の高い平原と緩やかな丘陵から成る広大な地域であり、両者の地理的な近接性は、古代の遊牧国家や交易ルートの形成にも影響を与えました。したがって、アルタイ山脈とモンゴル草原は地形的にも文化的にも密接な関係を持つ隣接地域といえます。
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