モンゴロイドとは、人類をいくつかの人種に分類する古い人類学上の概念の一つで、主に東アジア、東南アジア、シベリア、北・中南米の先住民に広く見られる人々を指す言葉です。特徴としては、一般的に直毛で黒い髪、黄色味を帯びた肌、比較的幅広の顔、平たい鼻、そして瞼に蒙古ひだ(内眼角のひだ)があることなどが挙げられます。ただし、これらの特徴は個人差が大きく、すべての人に当てはまるわけではありません。
モンゴロイドとされる人々は、主にアジア大陸の東側や東南アジアの島嶼部に広く分布しており、さらに数万年前にベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸に移住したとされる先住民(ネイティブ・アメリカン)もこの系統に含まれると考えられてきました。ただし、現代の遺伝学や人類学では「モンゴロイド」という区分そのものが科学的根拠に乏しいとして批判されており、人類を人種ごとに分ける考え方は徐々に見直されつつあります。現在では、文化的・歴史的背景や遺伝的多様性を重視した理解が主流になってきています。
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