パキスタンがアフガニスタンのカブールを空爆?!

2024年10月9日夜、パキスタンがアフガニスタンの首都カブールに対して無人機によるものとされる異例の空爆を実施し、これが両国間の緊張を劇的に高める出来事となりました。報道によると、この空爆は、パキスタン国内でテロ活動を行うイスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動(TTP)」の指導者ヌール・ワリ・メスードを標的としたものとされており、カブールでの攻撃によりTTPの幹部2名が殺害されたとの情報もあります。この空爆は、アフガニスタンがTTP戦闘員に避難場所を提供しているというパキスタンの長年の主張に起因するものです。

 

カブールへの攻撃に続き、10月10日未明には、国境沿いにあるアフガニスタン東部のパクティカ州でもパキスタンによる空爆が疑われる攻撃があり、市場などが標的とされました。これに対し、アフガニスタンのタリバン暫定政権は「カブールの主権の侵害」として強く非難し、領空と領土の侵害に対する報復作戦を国境(デュアランド・ライン)沿いで実行したと発表、パキスタン側の国境拠点も攻撃対象となったとされています。これにより、両国国境地帯では激しい戦闘が発生し、パキスタン軍が砲兵や戦車を使用するなど、軍事的なエスカレーションが見られました。

 

パキスタン軍の報道官は10日の記者会見で、空爆の責任を直接的には認めなかったものの、「パキスタンの生命と財産を守るために必要な措置はすべて講じる」と述べ、TTPがアフガン領土を利用しているとの懸念を改めて示しました。外交面では、パキスタン外務省報道官が、イスラマバードはアフガニスタンの領土保全と主権を尊重するとしつつも、自国民の安全確保へのコミットメントを強調しました。

 

この空爆は、アフガニスタンのタリバン外相がパキスタンの宿敵であるインドを訪問している最中に発生し、パキスタンとアフガニスタン・タリバンとの間の緊張が「危険なエスカレーション」に達したことを示しています。元駐アフガニスタン米国大使などの専門家は、今回の軍事的なエスカレーションが「危険なリスク」をはらんでおり、両国における死と破壊を増大させる可能性を指摘し、対話による解決を訴えています。この事態は、アフガニスタン・タリバンがTTPとの関係を断ち切れないことが、パキスタン政府や軍部の忍耐を限界に追いやっているという根深い問題の現れと見られています。